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「民事信託」とは?――ニュースで注目を集めた制度をやさしく解説 ~前半~
「民事信託」について前半と後半に分けて解説します。
最近、あるニュースで「反社会的勢力が不動産を信託していた」という報道がありました。
この出来事をきっかけに、「信託って何?」「そんな使い方ができるの?」と関心を持った方も多いのではないでしょうか。
今回は、その中でも一般のご家庭で活用されている「民事信託」について、難しい法律用語を使わず、解説します。
民事信託とは
民事信託とは、自分の財産の管理や使い方について、信頼できる家族や知人に託し、その人に一定のルールで運用・管理してもらう仕組みです。
たとえば次のようなケースがあります。
例:
高齢のお母様が「認知症になる前に、自分の財産の管理を息子に任せたい。元気な間は自宅に住み続け、その後は孫に引き継いでほしい」と考えたとします。
このように「元気なうちに」「亡くなる前から」「将来の財産の使い方を決めておく」のが、民事信託の大きな特徴です。
遺言や成年後見との違い
制度にはいくつか似たものがありますが、以下のような違いがあります。
- 遺言: 死後に効力が発生する。生前の管理には使えない。
- 成年後見: 判断能力がなくなった後に、後見人が財産を管理する制度。自由度が低い。
- 任意後見: 判断能力がある内に、公正証書で、後見人を指定しておく制度。成年後見に比べれば、自由度は高い。
- 民事信託: 元気なうちから契約でき、判断能力を失ってもその契約に沿って財産管理が可能。
このように、民事信託は柔軟で、自分の意思を生前から反映させやすい仕組みとして注目されています。
後半では「民事信託」がなぜ今、注目されているのか解説します。
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